ISBN:434401295X 単行本 松井 今朝子 幻冬舎 2007/03 ¥1,680
なぜ、吉原一の花魁葛城は、忽然と姿を消したのか? 遣手、幇間、女衒ーー人々の口から語られる廓の表と裏。やがて隠されていた真実が少しずつ明らかになっていく……。吉原を鮮やかに浮かび上がらせた、時代小説のあらたな傑作!
第137回直木賞受賞作。
この回は、まだ全部は読めていないのだが、この作品が受賞しているのは妥当だと思う。
吉原一番の花魁、葛城が客と共に失踪してしまうという事件が起こるのだが、物語の中心人物でありながら、葛城は一度も登場しない。事件の謎を解くために若い男が吉原に関わった人物に聞き込み調査を行うという形式で話が進んでいく。その全てが、誰某の弁といった感じで、葛城について聞かれた人物の独り語りとなっている。
ちょっと変わった形式で書かれているので、慣れてくるまでは読み難いのだが、事件の真相に迫るにつれ、どんどん物語に引き込まれて行く。読み終えた時、一体何が起こったのか、明らかとなるだろう。
コメント