ISBN:4163258302 単行本 北村 薫 文藝春秋 2007/04 ¥1,250
第137回直木賞候補作。
直木賞選考結果が出る前に、かなり絶賛されていて、結果予想をしている人のページでも受賞確実と豪語していたので期待したのだが、それほど凄くもなかった。きっと、何度も何度も候補となりながら受賞出来ない北村薫を受賞させたい信者だったに違いない。悪くは無いのだが、何かが足りない。これで受賞させるなら、真保や伊坂や白石や恩田や森見も受賞させないと不自然になるからね。
「街の灯」の続編。とは言っても短編の連なりなので、これ単品でも読める。今回も些細な事件をお嬢様が見極める。事件の真実には迫るのだが、解答を得るだけであって、別に事件を解決する訳ではないところが、名探偵物とは違うところ。
前回も殺人事件ネタがあったのだが、今回も同様に、些細な事件に混じってひとつだけ殺人ネタがある。それが表題となっている「玻璃の天」という短編。そして、この事件で謎の運転手ベッキーさんの過去がっ! この話が含まれているが故に、単品でも読めるとはいっても、やはり「街の灯」を読んでから本作を読み進めるのが正しい楽しみ方となるでしょう。
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