ISBN:4087475573 文庫 荻原 浩 集英社 2003/03 ¥700
倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身はヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとには、さらに別居中の娘まで転がりこんでくる。社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすが―。気持ちよく笑えて泣ける、痛快ユーモア小説。
ユニバーサル広告社の第二弾。またしても馬鹿っぽいコメディ。初期はこういう作品を書いていたんだな。最近のは、重苦しい題材のものが多くて、読み進めるのが苦しいのだが、これは何にも考えずに楽しめるから良い。
いつも火の車で倒産寸前のユニバーサル広告社に仕事が舞い込んでくる。喜んで出かけたら、そこはヤクザの事務所で……。仕事を押し付けた別会社の広告マンは失踪してしまうし、ヤバいものを押し付けられてしまったユニバーサルの面々は、断ることも出来ず、ズルズルとヤクザ絡みの仕事をする羽目に陥る。まあ、あまり裏社会の暗黒面は出て来ず、ユーモアコメディに仕上がっているから不快感は無いけれども、やはりヤクザって存在するだけで釈然としないな。
ちょっとアル中気味広告マン杉山の娘が良い味を出している。
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