フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人
2008年10月11日 読書ISBN:4061821962 新書 佐藤 友哉 講談社 2001/07 ¥924
妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族は云うが。そして現れた男。手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。渡されたのはレイプ魔どもの愛娘達の克明すぎる行動表。こうされちゃあ、する事は一つ。これが自然な思考だね。そして僕は、少女達の捕獲を開始した。その果てに…、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず。
内容を聞いただけで、もう読む気失せて来るので敬遠していたが、メフィスト賞攻略のために読んでみる事にした。さすがゲテモノ揃いのメフィスト賞。初っ端から「おにーちゃん、おは」と言いながら合鍵使って入ってくるギャルゲー仕様。しかしこの妹が事件に巻き込まれて自殺してしまうから、復讐モードでノワール小説に。
妹にやられた事を、加害者の娘に返すという形のクロスカウンター攻撃が展開されるのかと思いきや、出てくる重要人物が主人公含めて全員壊れているから、そう単純には行かない。キチガイだらけです。キャラつくりがゲーム感覚で、ちっとも現実感が沸いてこない。登場人物が狂いまくりで、人が死んでもゲーム中の出来事みたいだから、嫌悪感すら覚えない程。シンクロする要素皆無なので、後は惰性で読み進めるのみ。
構成としては非常に面白いと思うのだが、文章がかなり下手なのは覚悟しておくべきだろう。小説じゃなくてゲームを読まされている感じだし、ちょっとこれは微妙だなぁ。多分、見つけたら続きも読むだろうけど。それにしても、空虚でキティなノワールモードは、ゆとり世代がいかにも悦びそうな内容ではある。
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