ISBN:4104645028 単行本 森見 登美彦 新潮社 2006/10/28 ¥1,470
京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。
ちょっと不思議系の四編で、結末が曖昧なのばかりだから微妙。まるで、恩田陸の煙に巻くスタイルみたいだ。他作品のような毒舌っぷりもないから小さく纏ってしまっている。趣向が違うという事だから、どれを読んでも同じ物ばかりと言った金太郎飴型作家よりは断然良いとは思うが。ストーリーよりも雰囲気重視な作品だから、コメントするのが難しい。意表を衝くような展開、結末が待ち構えている訳では無いから、読後も印象が薄いし。まあ、「太陽の塔」よりは面白かったよ。
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