タバサの冒険—ゼロの使い魔外伝
2008年11月3日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840117268 文庫 米村 圭伍 メディアファクトリー 2006/10 ¥609
ふたつの月が空を彩る異世界ハルケギニア。そこでトリステイン魔法学院に通う少女・タバサには秘密があった。母国ガリアから彼女に与えられた地位は騎士。その中でも極秘裏に任務をおこなう「北花壇警護騎士団」の一員なのだ。胸に秘めた目的のため、タバサは使い魔である風竜・シルフィードとともに任務にむかう…。ある日、タバサに与えられた任務は、ガリアのとある村での「先住の民」の討伐だった。さっそく向かったタバサだが、どうやら村でのもめ事は単純な「先住の民」とのいさかいだけではないようで―。大人気「ゼロの使い魔」シリーズの神秘的な少女・雪風のタバサの活躍を描く番外編、いよいよ登場。
無口なためか、本編ではいまいち目立たないタバサが主人公。小さくて眼鏡っ娘で無口と、個人的には何ひとつ惹かれる要素が無い訳だが、異世界へ足を踏み入れて波乱万丈人生を余儀なくされた本編主人公の次くらいに、激動の人生を送っているキャラなので、やはり外伝を出すならこの人だろうとは思う。
王族なのに、無能王に父を暗殺され、復讐を果たすために汚れ仕事を黙々とこなす悲劇の主人公タバサ。ライバルとして登場するのは、無能王の娘でとてつもなく性格の悪いイザベラ。世界名作文学とかだと、こういうキャラでも最終回には逆転負けした挙句に、性格良すぎる主人公に赦されて和解となるのが定番だが、個人的にはそういう偽善的な結末は見たくない。やはり、実際の歴史に見られるように、最後は無能王と共に、復讐の刃に倒れて欲しいところである。
王女イザベラから与えられる無理難題クエストをこなす形式の短編で構成されている。元々は携帯電話用コンテンツらしいが、携帯小説にしては、それほど文字と中身スカスカ系統ではなく、普通に読める程度のラノベにはなっている。
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