ISBN:4152089423 単行本 吉田 親司 早川書房 2008/07 ¥1785
教祖・葵飛巫子の卓越した指導力で、国際社会に影響力を持つマザーズ教団。その真の目的を知った4人の男たちが、全てを賭け軌道エレベータ建造に挑む! 架空戦記の俊英、初の本格SF長篇。(Amazonに解説が無かったので早川書房の紹介より)

インド亜大陸とスリランカに架かる巨大な橋を拠点とするマザーズ教団。難病の子供達を看取るという表の顔とは別に、裏では臓器売買を手掛けているという疑惑が浮上。しかし、これが敵ではなくてインドにいる野心ある政治家が悪玉になる。教団側は黒い一面を見せつつも、教祖飛巫女に惚れてしまった四人の男が命懸けで彼女を守るという、妙な方向へ。

国境無き医師団の潜入捜査官である天才医師、天才ハッカー、裏家業で富を築いた男、世界最強の傭兵、この四人が飛巫女らぶらぶ! で、彼女を救うために戦う。なんか、動機が微妙ですな。飛巫女の魅力もいまいち伝わって来ないし。

人類存亡の危機も迫る中、世界を救うためではなく、教祖様を救うために、世界初の軌道エレベーターを建造しようとする四人組。物語は突拍子も無い方向へと転がって行くが、「この時はまだほにゃららである事に気づいていなかった」形式のネタバレだらけで興醒めしてしまう。

四人のうちの誰かに視点を合わせてくれないので、誰を軸にして読み進めたら良いのか判らずに戸惑うし。まあ、最後の方で次々と……な訳で、これでは誰も主人公に据える事は出来ないけどね(汗)。

強引な力技でラストまで運びつつ、最後の最後で大風呂敷を広げて物語が終わる。なんだか蛇の足っぽいエピローグだなぁ。どうもラノベ臭さが抜けきらず、力量不足が目立つ作品だった。

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