ISBN:4044276013 文庫 都築 由浩 角川書店 2002/01 ¥540
あこがれの月へ行こうと、宇宙船ブランデンブルグ号に密航したマティジュは、通風管のなかで途方にくれていた。船は、木星の第3衛星アマルテアの港を出発してから2時間後に、乗っ取り犯に占拠されていたのだ。船中で恩を受けたフィオ嬢を助けたかった彼女は、どんな結末が待っているかも知らず、もう一人の密航者、始末人のガイの力を借りることにした。おとぼけ男ガイと元気少女マティジュが巻き起こす新感覚スペース・アクション。 

アウトローな賞金稼ぎが、悪党の策略に巻き込まれて仕方なく暴れまわるというお約束パターンで、ちっとも意外性が無い。文章自体はさほど悪くないのだが、話の展開に意外性が無いから良くも悪くも優等生的なラノベに仕上がっていて、全て先が見えてしまう。設定も細かい部分で適当なのが気になる。宇宙巡洋艦の艦長を務める女性の階級が少尉とか……。いくらなんでも少尉で巡洋艦はダメだと思うぞ。

登場人物も、アウトローな賞金稼ぎ、常識知らずの馬鹿娘、そしてお金持ちで電波なお嬢様と、判りやすいけどイライラする。敵も単純明快な雑魚キャラ、ちょっとキチガイ入った専門家で切り捨てられる奴、クールな殺し屋だけど最後は惨めに死んでしまう奴と、全部が定型化されていて、予想を裏切るような展開が微塵も無い。まあ、この頃はこういう単純明快なパターンでもウケたんだろう。

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