ISBN:4488414036 文庫 有栖川 有栖 東京創元社 1999/04 ¥1,092
四国山中に孤立する芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。英都大学推理研の一行は大雨のなか村への潜入を図るが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。川の両側に分断された江神・マリアと、望月・織田・アリス――双方が殺人事件に巻き込まれ、各各の真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当ての限界に挑む大作。
長門有希の7冊目
長門有希の100冊No.04
今回はダブル主人公となる。いつも通りの主人公はアリス、そしてもう一人は、休学して消えたマリアだった。単発ヒロインとして消え去らなくて良かった。
鉄砲水で橋が流されて分断された両側で起こる殺人事件。終盤に突入するまで、行き来が出来なくなってしまうので、アリスとマリア視点で、交互に物語が進んで行く。この時点で、作者からの挑戦状は二回。しかも、それだけでは終わらない。江神さんがいるマリア側では、殺人犯人を特定した直後に新たな殺人事件が発生する。殺されたのは、最初の殺人事件における犯人だと推理された人物。ここで、第三の殺人事件及び全体を把握するための最終挑戦状が作者から贈られる。
三回の殺人事件と、三回の挑戦状。これは、一粒で二度どころか三度美味しい! まぁ、推理は苦手だから自分で考えずにアッサリと解決編まで読んでしまうけど(笑)。江神さんに関わる暗い過去と、彼に付きまとう死の予言がとても気になる。予言通りに江神さんが死んでしまったらどうしよう……。ハラハラしながら読み進めた。
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