ISBN:4488012272 単行本 有栖川 有栖 東京創元社 2007/09 ¥2,310
長門有希の100冊No.04「双頭の悪魔」を読んだついでに。
先の三作から随分と時間が経っているので、有栖川ファンの方は、まさか続編が出てくるとは思っていなかったかもしれない。時代設定がバブル崩壊より少し前になっている。ヒロインも現実世界では既に四十手前のおばさんになってしまっているのだと思うと……。
今回は、江神先輩が新興宗教団体に拉致された感じになって、それを助け出そうと有栖達が行動するのだが、その先でお約束とも言える出来事(つまり、殺人事件)が起こり、教団施設から出られなくなってしまうのだ。
人が殺されたのに、警察には通報しないと頑なな態度を取る教団幹部達。有栖一行も、施設内に拉致状態で、外界と隔てられてしまう。教団内部の内ゲバや権力争いか? それとも設定時期が時期だけに、某カルト教団みたいに良からぬ事を企んでいるのか? 謎がどんどん膨らんでいく。
今回の作者からの挑戦状は、何故か少し弱気。まぁ、ギブアップする事は最初から決まっているので、推理せずに解答を読む。犯人よりも、教団が隠していた謎のほうが意外だった。
このシリーズ、どうやら次で完結予定らしいが、いつ出る事やら?
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