憂鬱アンドロイド
2008年11月21日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840230412 文庫 真嶋 磨言 メディアワークス 2005/05 ¥578
「ぼくは、アンドロイド。完全防水加工の、水陸両用なのさ」自分をアンドロイドだと信じ切っている少年・小田桐正機。「君は正真正銘、決定的に、もう言い逃れできないくらい―人間、なんだよ」純真だが変人と呼ばれる正機を愛する少女・桜野茜。ちぐはぐな想いを抱えながらも、ただそこにある現実を追い求める二人を巡って様々な人間模様が交錯する。「わたしが憂鬱なのはきっと―」アンドロイドになりきれない少年と、人間の気持ちを見つけられない人間たちの、憂鬱で純粋な愛の物語。
これ、文章は下手でもないのだが、どうも薄口すぎる。雰囲気だけで、あまり美味しくない。自分がアンドロイドだと信じている少年と、彼を護る少女、設定は面白そうなのだが、淡々と盛り上がらないままの短編を羅列しただけなのは惜しい。各話における主人公の独り語りが多すぎるし、雰囲気だけで内容があんまり無い。詩や散文じゃないのだから、ページの下半分がスカスカなのは如何なものか。
もう少し物語にメリハリをつけて盛り上がりがあれば良かったのだが。短編もバラバラではなく、物語全体を貫く中心線があれば連作短編っぽくなったと思う。
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