ISBN:4840114528 文庫 松野 秋鳴 メディアファクトリー 2005/11 ¥609
ある日の放課後。俺青葉は、親友宇崎と教室で校内漫才大会S‐1グランプリのネタを仕込んでいた。その時ふと窓の外を見ると俺たちは星の海のなかにいた。事態が全く解らない俺たち。ひそかに憧れていたクラス委員長の一之瀬沙希がパニックに襲われて俺に突進して来たところを見ると、夢ではないらしい。教室に残っていたのは全部で5人。そして全員の頭の中へ、知らないヤツの声が聞こえてきた。ソイツは自分が退治し損ねた“白い巨竜”を俺たちが力を合わせて倒せば、地球に戻してやるという。嫌なら…面倒なのでこのまま置いていくだとぉ!俺たちは“白い巨竜”を倒して元の成章高校へ戻れるのか!?第1回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作。

ラノベの中で、MF文庫は現段階で最も高水準な気がする(新古書店でも、この緑色背表紙はなかなか100円コーナーまで落ちてこないので、単なる気のせいという訳でも無かろう)のだが、これはちょっと微妙だった。

文章は駄目じゃないのだが、一冊通してひとつの話ではなく、短編に分かれてしまっているので小さく纏ってしまい、盛り上がりにやや欠ける。登場人物の掘り下げも足りていないので、主人公の青葉君は良いとして、メインキャラなのに影が薄い人がいる。ヒロイン役の一之瀬沙希も、もう少し目立ったほうが良かった。青葉くんとあまり絡んでこないので、脇役みたいな印象しか残らない。

肝心のウチュウジンであるが、これまた気体型生命体という設定なので、見えないからビジュアル面で面白みに欠ける。この気体型ウチュウジンは、特殊なエネルギー体と戦う使命を帯び、教室ごと宇宙へ移動させ、中に残っていた青葉くんたちを強引に戦闘に参加させる迷惑極まりない存在である。青葉くんは、この存在に性は宇宙、名は人と名付ける。よって、ウチュウジンの名前は“宇宙人”となった。

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