コスプレ幽霊 紅蓮女
2008年12月30日 読書陰気で、友人も恋人もいない史代は、周囲からダメ教師のレッテルを貼られ敬遠されている。そんな彼女の生きがいは、ちまたで有名な幽霊「紅蓮女」の変装をして人を驚かすこと。怪奇スポットや自殺の名所を徘徊し、その場に居合わせた人々を怖がらせることに喜びを感じていた…。口裂け女、都市伝説パーティー、生き神信仰、呪いの手紙、電話男―徘徊先で遭遇する事件に紅蓮女が立ち向かう。
題名がヤバすぎる(笑)。ゲテモノだと思っていたけど、それなりに読めた。紅蓮女は幽霊だけど、本物ではなくて幽霊のコスプレをした生身の人間である。その正体は根暗な女教師なのだが、溜まりまくったストレスを幽霊コスプレで発散しているという、かなりの問題教師なのである。
コスプレ素材となる紅蓮女は、自らが時間をかけて流布した都市伝説という気合の入り方。普段は駄目教師なのだが、変身すると性格まで変わるという強烈な電波さん。そんな彼女が口裂け女と出合った!?
口裂け女? との対決、電波入った猟奇事件犯人との対決、鄙びた村での鏡伝説、呪いの手紙と続いて、最後に白いメリーさんに似た電話男との決戦。連作短編みたいになっているが、ラストで一本に繋がる。繋がるどころか、紅蓮女だけで完結せず、他作品にまでリンクしている……。しまった、図書館に置いてないから、執筆順に読んでない。
紅蓮女の火炎攻撃が人間業とは思えないし、ちょっと強引なのでミステリーとして読むには物足りないかもしれないが、都市伝説を上手く取り入れていて面白い。作中に火の玉アイスが出てくるのだが、実在するらしい。
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