本書は「空想○○読本」シリーズの法律編である。今までの「科学」をテーマとした内容とは打って変わって今度は「法律」。いろんなヒーローやロボットたちの科学的な説明をむさぼるように読んだ人はきっと多いに違いない。しかし、「法律」のように文系的要素について考えた人は少ないだろうし、そんなことを載せた本はあまりなかったように思う。果たしてまともに取り扱える要素などあるのかと思いきや、実はいろいろあるようである。
怪人怪獣から正義の味方まで、彼らが繰り広げる騒動が法的にはどうなるのかを真面目に論じた本。真面目に法律論議を展開するのだが、その前提となるのが有り得ない状況ばかりなのが笑える。
それにしても、ウルトラマンが空を飛べば航空法違反、仮面ライダーが暴走すれば道路交通法違反。その他にも器物損壊、業務上過失致死、殺人罪と、様々な法律で裁かれてしまうのが哀れ。バルタン星人虐殺事件に至っては、20億3000万という生命を奪ってしまい、ジェノサイド条約違反という国際犯罪者にっ!
それに対して悪党側は、心神喪失者と看做されるので、怪人が一般人を殺しても無罪! さすが日本、空想科学世界においても悪人に優しく出来ているな(笑)。何の落ち度も無い人々が酷い目に遭う現状、こんな悪党天国な国では法治国家と呼べないぞ! 是非、厳罰化を求めたいところである(苦笑)。
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