塔と水路がある町のはずれ、「水無月橋」で見つかった死体。一年前に失踪したはずの男は、なぜここで殺されたのか?誰も予想できない結末が待っている!!恩田陸が紡ぐ、静かで驚きに満ちた世界。
第140回直木賞候補作。
またしても、重量級! このページ数だと躊躇してしまう。でも予約本だからな、しかも直木賞候補作だしな。万が一受賞なんてしたら予約殺到で読めなくなるしな。受賞は無理だと思うけど、頑張って読んでみる事に。
ある町にある水無月橋で殺された男の謎に迫る! しかし、最初のほうから中盤にかけて、ところどころに「あなたは……しました」形式の二人称部分があるので、非常に読みづらい。これがあるために、物語の中に入っていく事が出来ずに苦戦した。
視点も、町に住む様々な人物に切り替わって行くので疲れる。一体、誰を軸として物語を読み進めば良いのやら……。真相に迫るにつれて、ミステリーとはかけ離れて行き、トンデモな結末へ。キャッチに「誰も予想できない結末が待っている!!」なんて書かれているが、こんなトンデモ展開、宇宙からの電波を受信している人以外は予想出来ないし、する必要も無いです。
とりあえず、ミステリーだと思って読み始めた人は、最後で地団駄踏んで憤りたくなる事だろう。ファンタジーか何かだと思って読むにしても、恩田陸らしく、毎度の後半グダグダな展開だし……。これはもう、通常の三倍は恩田陸ファン専用だね(笑)。
それにしても、こんなので直木賞を狙うのか!? 何で「不連続の世界」で勝負しないのか……。最近の選考委員の中の人はよく判らないから、こういうのでも無理とは言い切れないけどさ。
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