まほろ駅前多田便利軒
2009年2月3日 芥川賞・直木賞東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。やがて切ない便利屋物語。
第135回直木賞受賞作。
まあ、無難に面白かった。便利屋を営む多田の前に、ある日現れたのはかつての同級生である行天。こいつがまた性格破綻した男で、微妙にズレた事ばかりして多田は翻弄される。行く所が無いという行天を泊めてしまったが運の尽き、そのまま居つかれてしまうのだ。たいして役に立つ訳でもないのに、仕事場にはついて来たがる行天。二人の微妙な空気のズレが楽しい。しかし、何で便利屋や探偵のところに転がり込んでくるのはこういうタイプばかりなんだろうか。
悪くはないのだけれど、これで直木賞受賞というのはちょっと酷いんじゃないか。もっと力作出している人達がまだ貰えていないのに、これは売るための打算入っているんじゃないのか?
三浦しをんが受賞するなら、森見登美彦、畠中恵、桜庭一樹、北村薫、白石一文、荻原浩、伊坂幸太郎、恩田陸、恒川光太郎、古川日出男、福井晴敏、馳星周、真保裕一、横山秀夫、諸田玲子あたりにも受賞させないと不味いだろ!?
つまり、普通に面白いけど、直木賞候補作の中では並程度の面白さであって、別に受賞させる程レベルが高いとも思えないのだが……。
この回の選考委員は、阿刀田高、五木寛之、井上ひさし、北方謙三、津本陽(欠席)、林真理子、平岩弓枝、宮城谷昌光、渡辺淳一。彼らの作品も読破して、その功罪を問いたいところである。
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