ISBN:4062145367 単行本 中山 智幸 講談社 2008/2/2 ¥1575
妻に内緒で、兄の彼女と旅に出た。その行き着くところは…。現代人に特有の「自転からはぐれたみたいな」孤独を描き出す。表題作のほか「木曜日に産まれた」を収録。『群像』『文学界』掲載作品をまとめ書籍化。
第138回芥川賞候補作。
事故に遭った兄の代わりに、兄の元カノと打ち上げを見るために種子島宇宙センターまで旅行をする男の話。面白くなりそうで、ならないまま唐突に物語が終わってしまう。文章もギクシャクした感じで、一応は物語になっているのだけれども、この面白くない感じは、やはり芥川賞系統の作品らしい。不倫っぽい旅行で元カノに迫り、蹴り入れられるだけのショボイ物語であった。
「木曜日に産まれた」も、流産してしまった夫婦の男性側が悶々としているだけで、どこかの面白くも無い日常を描いただけ。実験作や自慰作品じゃない分、他よりはマシか……。
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