テロリストのパラソル
2009年2月4日 芥川賞・直木賞ISBN:4043847017 文庫 藤原 伊織 角川書店 2007/05 ¥620
史上唯一の、直木賞&江戸川乱歩賞ダブル受賞作! 新宿に店を構えるバーテンの島崎。ある日、島崎の目の前で犠牲者55人の爆弾テロが起こる。現場から逃げ出した島崎だったが、その時置き忘れてきたウイスキー瓶には彼の指紋がくっきりと残されていた……。
第114回直木賞受賞作。
江戸川乱歩賞&直木賞のW受賞。藤原伊織の最高傑作だと思うのだが、妙なアンチも多々出没するのがこの作品の特徴。W受賞に踊らされたのが悔しいのか知らないが、これで五段階評価の★ひとつなら、大半の純文学やラノベは★ひとつすら付けられなくなると思うのだが。
ご都合主義的な部分はあれど、無制限に何でもありな訳でもなく、最後はいつも物悲しいのが藤原伊織作品の特徴。これもハッピーエンドでは終わってくれない。痛い描写もあるし、人生の侘しさ、やるせなさを感じる。
どこかで人生を間違えてしまった男のやるせなさにシンクロしてしまったおっさんが高評価しているんじゃないかと勝手に邪推してみたりして……。私も人生の曲がり角をどこかで間違えているので、このやるせなさに同調して密林式五段階評価なら最高点の★★★★★で(笑)。
コメント