二之浦ゆり子は青年医師・里見に誘われ、瀬戸内海の小島巡りに同行するが、その際、ひとつの無人島を目にしたことで、過去の悪夢が甦る。彼女は十五年前誘拐され、その島に放置されたことがあるのだ。里見と交際を始めたゆり子は、彼とともに過去の謎と向き合う決意を固めるが、浮かび上がってきたのは驚愕の真実だった。『症例A』の著者が贈る、ドラマとトリックが融合した傑作。
第106回直木賞候補作。
名前がこれだから、宝島みたいな系統の、離島を廻る冒険譚だとばかり思っていたら、全然違った。
子供の頃、何者かに誘拐され、無人島に置き去りにされた事のある女性が主人公。大人になってからも都会には出ず、実家がある瀬戸内海にある島に住んでいるのだが、そこへ青年医師が赴任して来る。強引な感じで近づいてくる医者相手に、アッサリと恋愛モードに突入。
小さな島を舞台にした恋愛小説なのかと思いきや、過去の事件が絡んできて、物語は思わぬ方向へと転がって行く。ラストは真実が明かされて、苦い結末へ。
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