あの時、目覚まし時計さえ買いに行かなければ…。コドモノクニへ転校してきたトシオを待ち受けていたもの、それはいったい何か? ボディーブローのように効くふきつなユーモアにのせて描かれる、子どものリアル。
背は小さいのに、やたらと大人臭いトシオが転校してくる。小学五年生なのだが、もっと小さい子にしか思えない。トシオはハルニワ、コウタロウと一緒に遊び始めるのだが、どことなく距離感がある。
そのうち、トシオが自分は本当は大人で、呪いをかけられて子供になってしまったと打ち明ける。一緒に住んでいるTJという女性は母ではなくて彼女だと言うのだが、嘘だと思ったハルニワが距離を置きはじめ、靴を隠すなどのイジメが始まってしまう。
しかし、大人の行動で、ちっとも挫けないトシオ。ある日、ランドセルを隠した教室で、三人揃って異形の何かがいる変な空間に閉じ込められてしまう。そこは、呪われた人が呪い返しをする場所だったのだが、トシオは自分を呪った相手に呪い返しをしようとしない。
結局、トシオは大人だったのか、謎。異形が出てきたから大人だったのかもしれないけど、大人のふりをしている変な子供の可能性も残されているし、どっちが正解なんだ? 最後まで読んでもスッキリしない、変な話だった。
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