広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
2009年2月22日 読書宇宙がエイリアンだらけならみんなどこにいるの?20世紀を代表する物理学者フェルミが提出したこのパラドックスを解決するために、宇宙論、物理学、生物学、数学、確率論から社会学、SF的想像力までを総動員し、宇宙と生命の謎へと挑む極上のサイエンス・エンタテイメント。
宇宙はこんなに広いのに、何で地球人以外が見つからないのか。様々な理由を真面目に考えてみた本。実はもう来ていてハンガリー人だと名乗っている、というようなギャグも若干混じっているけど。
それにしても、地球人視点というか、我侭というか、ジコチューというか、自分達を中心に据えた身勝手な理由が結構ありますな。いたら来ている筈だ、とか……。じゃあ、地球の歴史を一年に例えたやつを使ってみて、大晦日の23時59分に自分の家にハンガリー人が遊びに来なかったら、ハンガリー人は存在しないのか? ごく最近来なかったら、宇宙人が来てもそれと認識する事が出来ないだろうに。たった数千年早いだけで、きっと神扱いされますからね。
宇宙人が出した電波等が見つからないから存在しない説とかも、ひょっとしたらそんな旧式のテクノロジーを使っていないだけかもしれないし。例えば、インターネットやっている人が、わざわざ伝書鳩を飛ばそうとか思わないでしょ!? 光速以下でなんか通信してられないし、ハイパーカムとかアンシブルみたいな物を使っている可能性は考えなくても良いのか?
どこかにいたら、全銀河を殖民地にしている説も考え方がおかしいし。地球においても、移動速度と同じ速さで殖民した例なんて無いし。だいたい、地球ですら、まだ一度も地球圏全土を掌握した帝国が出現していないじゃないか。ある程度拡大しても、停滞したり内乱で分裂したりするから、二千億星系全部を支配するのはなかなか難しいんじゃないのか?
銀河系だけで二千億以上の星があり、さらに銀河系が数千億あるというのに、地球人以外存在しない説のほうが、有り得ない考えだと思えてくるのだが。いない説を主張する人が後世の人間に、天動説を信じていた奴らや大陸移動説を馬鹿にしていた奴らと同じくらい馬鹿にされる事を期待する。
これ、宇宙人視点に変えたら面白いよね。「地球人が存在するなら我々の星へ来ているはずだ。来ていないので地球人は存在しない」とかさぁ(笑)。
だいたい、もう地球にも来てるじゃん。こりん星人とか。
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