ブラザー・サン シスター・ムーン
2009年3月8日 読書ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを――本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。『夜のピクニック』から4年、恩田陸が贈る、青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生!
「夜のピクニックから4年。青春小説の新たなスタンダードナンバー」というキャッチに期待したら、かつて青春時代を謳歌した人々の回想としてしか青春は無い。すでに社会に出ている人の視点から回顧しているだけじゃないか。夜のピクニックとは全然違う!
大して苦労もせずに大学へ入り、その後もバブルの波に乗って、日本社会の美味しいところばかりを消費した当たりクジ世代の物語。その後も、小説家になったり、一流大企業から映画監督に転進したりと、順風満帆人生ばかりで、とてもご都合主義的。しかし、単に願望が入ったフィクションではなくて、こういう世代が本当にいたのだから嫌になってくる。そういえば、この作者も美味しい世代に含まれているよなぁ。
……こいつらが日本の美味しいところばかり喰らい尽くしたから、その後のやつが受験地獄、バブルの波に乗ろうとしたら自分の番が来る前に波どころか水まで無くなって焦土状態で、ひたすらババクジばかり引かされてるんじゃないか! 不公平すぎる! リストラされて一度くらい地獄見ろよ畜生め!!!!1
なんしか、人生の谷を経験していない幸福世代が主人公だから、どす黒い感情しか湧いてこなかった。夜のピクニックと同じジャンルみたいにキャッチつけているのも納得が行かないし。まあ、グダグダ感がないだけ良かったか。
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