波打ち際の蛍

2009年3月20日 読書
川本麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日通院先で植村蛍に出会い、次第に惹かれてゆくが…どこまでも不器用で痛く、眼が眩むほどスイートな恋愛小説!!

普通の恋愛小説じゃなくて、主人公となる女性がメンヘルさんだったのが、かなり痛い。しかし、元から精神異常だったり電波さんだったりしたのではなく、過去付き合った男のDV攻撃によって壊れてしまったという外的要因となっているので、それほど本人に責任がある訳でもないだろう。

しかし、痛いシーンが出てくる訳でもなく、本人が隠したがっている事もあって、過去の出来事はほとんど語られない。新たに出会った男性を上手く関係が作れない状態で苦悩する姿が描かれるのだが、淡々としたままで楽しい物語ではなかった。

この作者は痛い要素を入れたがるのだが、実体験が無いからか、その部分が非常に薄口になってしまうのが毎度のパターン。中途半端なのはいけない。無難に抑えるか、徹底的に人の醜悪な部分を抉り出さないと……。

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