妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。
妻と娘が事故に巻き込まれ、助かったのは娘、しかし中身は妻だったという魂入れ替わり。本当は夫婦なのだが、法律上は親子。これは辛い。結末も残酷すぎるので、男と女で評価が変わってきそうだ。
それにしても、やはり女。見事なまでに別腹人生を送っている。男も娘になってしまった妻とは別に、再婚すれば良かったのに。こういうのって、いつでも男のほうが可哀想だよな。その方が絵になるからだろうけど。
途中から娘が復活してきたかと思いきや、男性側に対して結末はあまりにも残酷だ。韓国で妻が失踪し、何十年も信じて待ち続けた挙句に、記憶を失った妻は別の男と結婚して別腹人生を生きていた人の話くらい可哀想だ。
何で女はいつも別腹人生を生きるのか! 女視点の物語ならまた違うかと思うが、男視点だと満足の行く結末ではないので、満点はあげられない。主人公の可哀相すぎる結末に、全米が泣いた! それにしても、東野圭吾って意地悪なエンディングが多いよね……。
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