東京に今年三度目の雪が降った夜、長女の艶子は出て行った。意味不明の小さなメモを残して。四姉妹の語りと日記から浮かび上がってくる、それぞれの息苦しさと生きにくさ。第4回新潮エンターテインメント大賞受賞作。
四人姉妹のうち、姉が意味不明の書き置きをして行方不明になるのだが、その後に何か事件が起こるでもなく、淡々としたまま物語が続く。他の妹達も、それぞれが微妙な悩みを抱えていたりはするのだが、これがまた「両親が自分を理解してくれない」みたいな感じの疎外感に過ぎず、人生舐めてるんじゃないかと思いたくなる設定で終わっている。もっと波乱万丈な痛ましい事件に巻き込まれて、それがトラウマとなっているとかなら納得も出来るのだが、その程度のズレならば、どんな家族にだってあるだろうという程度。
話し言葉をそのまま文章にした感じの悪文が多い。洗練された文章でもないのだから、もっと読みやすくすれば良いのに、ダラダラと一文が長くて疲れる。文芸部所属の女子高生が一生懸命書いてみましたという感じの文章だった。
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