ハイブリッド-新種-
2009年4月18日 SF特集ネアンデルタールの物理学者ポンターは、クロマニヨンが進化した人類のいる並行宇宙とネアンデルタールが進化した自分たちの宇宙とをつなぐ恒久的な門を作ろうとしていた。クロマニヨンの子孫である遺伝学者メアリは、ポンターとの結婚を真剣に考えはじめる。だが、メアリたちの住む宇宙の地球には数万年ぶりに磁場の崩壊がせまっていた。この天変地異は、人類にいったいどんな影響を与えるのか…好評の三部作、完結篇。
ネアンデルタール・パララックスの三冊目。これで完結。題名は、人類とネアンデルタールの混血を暗示している。メアリとポンターは子供を作ろうとするのだが、そのままでは染色体数が違って無理なので、ネアンデルタール世界で禁断とされてしまった発明をした人物を探す事に。
遺伝子を操作する機械を入手して持ち帰るも、それを悪用してネアンデルタールを殲滅し、新世界を得ようとする邪悪な人類が、エボラを改造して致死性ウイルスを作ろうと画策。これに気づいたメアリは、逆に人類の男に作用するウイルスに改変しようかと悩むのだが……。
繁殖力と邪悪な点以外では、あらゆる部分においてネアンデルタールのほうが人類より優れているのが笑える。ネアンデルタールは、各自が男配偶者と女配偶者を持つので、恋愛関係のトラブルもエライ事に(笑)。何と言っても、人類と異なる最大のポイントは、神の有無。
「ポンター、宗教は私の一部なのよ」
「しかし、あなたの世界では諸悪の根源となっています」
人類が発明したものの中で、最悪なのが「神」だからね。この発明で殺された人数を考えれば、水爆なんて爆竹みたいなものだ。
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