へんないきもの三千里
2009年5月4日 読書誰かたすけて、お金は出すわ!!深海魚に呑まれ、アリに奴隷にされ、免疫細胞軍と戦う羽目に…セレブなおシャレ少女が放り出された、弱肉強食の生態系。へんないきもの、続々登場。生物界に迷いこんだ少女のすっとこ長編物語。
単なる「へんないきもの」シリーズの第三弾だと思っていたら、小説になってしまったのか。しかし、仕事ばかりで家庭を顧みない会社経営者の父親、宝石店経営のセレブな母親、いきものオタクの兄、そして小生意気な主人公と、人間世界が胡散臭く、ごたごたしすぎで微妙。
おまじないのため、大嫌いな蛙を舐めたユカリは、不思議の国のアリスみたいに、へんないきものの世界へ。しかし、そこはアリスとは違ってメルヘンの欠片もなく、喰うか喰われるかの修羅世界。
蟹に足を挟まれて拷問みたいな目に遭ったり、上半身と下半身が分裂するやつに雌と間違えられて精液をぶっかけられたりと、明らかにやりすぎである。主人公は小学生女児だからね。これは、言論弾圧法(改正児童ポルノ法ともいう)が可決されたら、メディア良化委員会の手で焚書坑儒の憂き目に遭うだろう(笑)。
意識不明の重態に陥っている間、人間世界もゴタゴタしすぎで辟易して来る。まあ、ラストだけは予定調和というか、ご都合主義というか、ハッピーエンドで終わったので良しとしておこうか。でも、今までの「へんないきもの」を期待していただけに、微妙だった。
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