ジャングルでは沢山の命が生まれ、生きるために食べ食べられ、全てが夢であるごとく皆死んでいく。傲慢でジャングル一の嫌われ者のワニは仲間・兄弟さえ食べて生きてきた。だが…。自己中心と他者尊重の境界を問う一冊。

梨木香歩の絵本は、何で考えさせる作品が多いのか。絵本にはなっているけど、内容が大人味だよなぁ。

自分の兄弟すら食ってきた、自己中心的なワニ。彼は自分がライオンの友達だと思っており、他の生き物を食って生きている。ある日、見つけたカメレオンを食おうとしたところ、カメレオンは同じ爬虫類で、仲間だから食うなと言われてしまう。

そんな事を言い出したら何も食えなくなるので、構わず食ってしまうのだが、腹の中からナカマ、ナカマと声が聞こえ続ける。堪らずワニは、ライオンに相談しに行くのだが……。

途中で挟まれる「ジャングルの憂鬱」と「草原の無関心」という、ただ一言だけしかないシーン。無力感と無関係が滲み出ていて、考えさせられる場面である。

なんというか、この世は残酷な修羅世界だよな。こんな不完全な世界を創ったやつが何処かにいるとしたら、物凄く性格が悪いに違いない。自分に似せて人間を作ったから、人間も邪悪で性格が悪いんですねわかります(笑)!

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