名作「それでも町は廻っている」で一気に天賦の才能に花開かせた石黒正数が、2000年~2004年の頃に各誌に発表した好短編を堂々7点収録。石黒作品に流れる熱き血潮と冷静な感覚の閃きが、ここに存在する!

短編が7つ収録されているのだが、全てズレた感じになっているのに才能を感じる。最初の話は小さな無人島で事故が発生、三人の超能力者とマッドサイエンティストだけが残される。使える能力はどれも微妙。この話で注目すべきは、表紙に描かれた人数。あれ? 二人足りない(笑)。

他のもシュールな結末のものが多い。人類滅亡ネタに盛り上がる学生の結末が人類滅亡そのものだったり、正義の味方になろうとしたなげなわマンが、人命を助けようとして逆に……。

部屋に魔女っ子が押しかけてくるというありがち設定ですら、来るのは美少女というお約束を華麗なまでに破って、ブサ子が! しかも、別の人のところにはお約束通り美少女な魔女っ子が来ているから泣ける。

悪の秘密結社デーモンナイツが解散してしまい、途方に暮れるピエロ怪人とヒーロゼットの物語は、ピエロ怪人の中の人がナイス!

やはり最高なのは表題作。滅びかけた未来世界で出会った人類の少女と壊れかけた機械。海外SFの短編みたいな雰囲気で、描き方も特殊。こういう技法で描かれたコミックは、あまり見かけない。

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