1カ月前に学校から消えたなつみさんは、新興宗教オモイデ教の信者になって再び僕の前に現れた。彼らは人間を発狂させるメグマ祈呪術を使い、怖るべき行為をくりかえしていた―。狂気に満ちた殺戮の世界に巻き込まれてゆく僕の恋の行方は?オドロオドロしき青春を描く、著者初の長編小説。
小説家ではない人に依頼して、半ば無理やりな感じで書かせているので、暴走しすぎな感じはするけれども、芥川賞系統の自慰作家と比べると、オーケンのほうが小説家として上手だと思う。
題名がこんなのだから、信者で儲ける類の偽善者的な内容か、キチガイが出て来るだけの話かと思った。洗脳されたキチガイが出るという予想までは合っていたけど、メグマ祈呪術という訳の分からない力を駆使して、他者を破壊出来るという特殊能力を持ったキチガイだから、より性質が悪い。
主人公の八尾は、学校へ来なくなった美少女なつみさんに勧誘されて、トー・コンエという怪しげな教祖を頂点とするカルト集団、新興宗教オモイデ教と関わる事になる。このオモイデ教、単なるキチガイ集団ではなくて、メグマ祈呪術を使える人々の集まりで、力を使って敵対する新興宗教を潰すのである。
八尾にもメグマ祈呪術を使う能力があると言われるのだが、覚醒する前に、恐ろしい敵が現れる! 修羅場に投げ込まれた八尾は、なつみさんを助けたい一心で、無意識のうちに力を解放する。
なつみさんは助かったが、オモイデ教の信者は二人だけになってしまう。一瞬で勢力を失い、助けてくれと泣きつく教祖を見捨てて去って行く彼。その横を、義和尊神教教祖が通りすぎる。八尾の想いは叶えられぬまま、切なくほろ苦い結末で終わる。
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