カンランシャ

2009年8月11日 読書
夫婦でいるとか、恋人でいるとかって、本当はどういうことなんだろうな。不動産会社に勤める瀬尾隆一は、大学時代からの先輩・蛭間直樹の妻・いずみのことが気になっている。いずみから直樹が浮気をしているのではないか、と相談を受けたのがきっかけだった。自身の妻・信子とは2年前から別居中で、すでに愛情は枯れてしまっている。次第に距離を縮めてゆく二人だが、失うには大きいものが多く、なかなか踏み込めない。そんな関係が煮詰まってきたある日、直樹が病院に運ばれた―。

芥川賞関連で、まだ書籍に入っていないのがあるので、今度こそ入るかと思ったら、またしても違った(汗)。表題作のみの長編で、不倫の物語。

夫に女の影を感じた妻が、夫の後輩に相談するうち……、というありがちな展開をしてしまうのだが、後輩も自分の妻が浮気をして別居中という複雑な人間模様を描く。転がり始めた人間関係は、もう二度と元には戻らない。

後輩の浮気妻は自業自得だから仕方無いとして、残りの人々は落ち着くべき場所に立ち位置を変えた感じなので、一応はハッピーエンドに近いか。それにしても、何としてでも男を手に入れようとする不倫相手の覚悟は凄い。

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