彼女は帰星子女
2009年8月17日 このライトノベルがすごい?「人類を代表し、宇宙人と友好条約を締結した」―アメリカ大統領の突然の発表に、世界に激震が走った。彼ら三種族連合移民船団―トリオンの宇宙船は数十年前から地球人類の調査を行い、各国政府と接触をしていたというのだ。だが平凡な高校生・芹沢望にとって、それは「直接は関係ない大ニュース」のはずだった。トリオンと地球人の間に生まれた美少女・絹が芹沢家にやって来るまでは…。地球の常識を知らないうえ負けず嫌いの絹と、ことあるごとに衝突してしまう望。だが絹の心の内に触れるうちに…。大胆な設定と、細やかな心理描写で描く、青春SFシリーズ第1弾。
これがデビュー作なのだけど、受賞組じゃないみたいだね。芸能界に例えるなら、オーディション組とスカウト組がいて、どうやらスカウト組のほう。よって、これ以前にも何処かで書いていて、声をかけられたようである。全体的に、受賞組よりも発掘組のほうが安定している感じがするのだが、気のせいだろうか。
三種族連合トリオンの移民船団が地球に飛来した世界。各国政府と移民交渉が行われる中、ごく普通の男子高校生である芹沢望の家に、宇宙人とのハーフである絹が居候する、ボーイ・ミーチ・ガールな物語。
三種族が融合した状態の宇宙人がやって来て、地球に住まわせてくれという部分はラノベ的であるけれども、その他の設定は奇抜な物が使われておらず、地に足がついた感じの内容になっている。電撃から出ているのでラノベだけど、ポプラ社あたりで出ていたらジュブナイル小説に分類してもいい位にまともで、電波や萌えは極力控えめ。
よって、帰星子女としてやってくる絹も、宇宙人とのハーフである以外は、ごく普通の女の子で、空を飛んだり無敵だったり魔法クオリティな科学を使ったりはしない。ラノベにしては、はっちゃけ具合が足りないので、派手なのが好きな人には不向きかもしれないが、人物設定や描写はカッチリしている。
地球の常識を知らないが故に暴走しがちな絹と衝突しまくる望だが、彼女の置かれた状況を把握するにつれ、少しずつ接近して行くという手堅い王道パターン。
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