ラグーナ・ビーチに住む作家ドミニック・コーヴァイシスは、深刻な夢遊病に悩まされていた。朝、目を覚ますとクローゼットやガレージの中で丸まっているのだ。同じ頃、シカゴで、ラスヴェガスで、ボストンで、得体の知れない恐怖におびえる人たちがいた。彼らにその記憶はないが、一年前の夏、あるものを“見て”しまったのだ。
登場人物、増量気味(笑)。様々な職業の人が何かに怯え続けているのだが、それが何なのかは自分達でも分らない。作家のドミニックも夢遊病に悩んでいて、目覚めるととんでもない場所で丸まっているのである。
全員が、何かを見てしまったのだが、その正体が分らないまま、後半まで引っ張られる。何が起こったのか分からないうちは、読んでいる側も正体不明の何かが怖い。
怖い話かと思ったら、次第に陰謀の臭いがしてきて、ある事件に関わってしまった人々が記憶を取り戻すと、いきなりSF風味に変わってしまう。何が起こったのか気になりすぎて、ページ数多いのに、一気読みしてしまった。それにしても、全貌が明らかになるのはラスト近く。ちょっと謎のまま引っ張りすぎ(笑)。
コメント