ワールド・トレード・センター
2009年9月11日 映画2001年の9.11同時多発テロで標的となった、NYの世界貿易センタービル。本作は、崩壊したビルに生き埋めになった2名の警官の奇跡的な生還を、実話に基づいて描いた感動作だ。港湾警察のジョンとウィルは、飛行機が激突した貿易センタービルに急行。ビルの1階に入ったところで、ガレキの下敷きになってしまう。無念の死を迎える同僚や、心配で取り乱す家族など、いくつものドラマが進行するなか、ジョンとウィルは励まし合って助けを待つ。
9.11当日なので放映されたのだが、これって実際に被害者となった人の話なのか。開始直後に特攻してくるので、やたら展開が早いと思ったら、30分程度でニコラス・ケイジが崩落に巻き込まれてしまい、後は瓦礫に埋もれているだけ。全く活躍出来ないまま、ひたすら苦しんでいるので、映画というよりも、実際に埋もれて奇跡的に救出された人をモデルにしたノンフィクションといった感じである。
無差別テロは酷い行為であるが、素直に全否定する気にもなれないのは何でだろう。無論、自分が巻き込まれたりしたら嫌だけど、テロリストにも言い分はあるだろう。そもそも、アメリカが世界最大のテロ国家そのものであって、言う事を聞かない相手は容赦無く叩き潰してきたという過去がある。
9.11では数多くの人命が失われたが、その後の報復戦争で、アメリカ人はアフガニスタン人やイラク人を虐殺しまくっている。アメリカは、自分の痛みには大声を上げるが、他者の痛みには無頓着すぎる。
不公正なメディアのせいで、テロリスト側の悪意しか報道されないが、単純にテロは酷い、アメリカは正義だと思い込み、この手の映画で涙を流す人々は、正義の国が100倍返しで相手を虐殺しまくっている事実にも目を向けるべきだろう。無論、殺された人間の大半はアルカイダやタリバン、大統領警護隊などではなく、普通に暮らしていた一般人である。
アメリカ人の命の値段、2億4000万円。
アフガニスタン人の命の値段、13万円。
これは、アメリカ政府が補償した金額の一例である。この命の格差を考えれば、スーパーマンの振りかざす「正義」がどういうものか、おぼろげに見えてきますな。
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