アイアン・サンライズ
2009年9月16日 SF特集ウェンズデイ、16歳、オールド・ニューファンドランド・フォーの住人。彼女は暗い廊下を必死で逃げていた、執拗に追う怖るべき魔犬をふりきり、避難船にたどり着くために。あんな死体や謎の書類なんて見つけなければよかったのに。時間はもうほとんどない。約4年前、鉄爆弾が太陽を超新星化させ、モスコウで暮らす2億人を焼きつくした。その恐怖の衝撃波面―鉄の夜明けが、まさに今ここに到達しようとしていたのだ。
題名だけでは分かり辛いのだが、これは「シンギュラリティ・スカイ」の続編なので、先に前作を押さえておくべきだろう。直接の続きではないにしても、前作より後の話で、物語の中核となる二人もそのまま出てくるので。
恒星破壊兵器が使用され、ひとつの世界が滅亡した後から物語は始まる。故郷を失い、鉄の夜明けと呼ばれる衝撃波から逃げるために避難する人々の中に、ウェンズデイと呼ばれる少女がいた。彼女は見えない友人に導かれ、ある極秘文書を隠すのだが、彼? が単なるイマジナリー・コンパニオンではない。彼? の名前がハーマンという部分で、これが万能知能に近いエシャトンに関係する存在である事が分かってしまう。
難民と化したウェンズデイだが、新たな移住先で命を狙われ、宇宙船で逃亡する羽目に。敵は全体主義のリマスタードと呼ばれる勢力。リマスタード自体は、エシャトンの力と比べて劣るのだが、モスコウが滅亡するのを未来予測出来なかった事で、エシャトンに匹敵する黒幕の存在を予感させる。
後半から前作のマーティンとレイチェルもウェンズデイに合流し、報復兵器の使用を中止するためにリマスタードと対峙する事になるのだが、状況はさらに二転三転し、思いもよらぬ真実へ。
最後、リマスタードが地球圏にまで浸透してくるところで終わるので、この後の展開が気になるところ。続編あるよね?
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