ランナーの道を断念して以来の全力疾走をした日、若い水道職人・達夫は、羽音とふしぎな声を聞く。奇妙な能力を持った蚊トンボ“白鬚”が頭に侵入してきたのだった。達夫はシラヒゲの力で、オヤジ狩りに遭っていたアパートの隣人・黒木を救う。黒木は、株取引で巨額の損失を暴力団に与え、血眼で行方を追われる身だった。彼らは、黒木の居場所を達夫に吐かせるため、恋人・真紀をターゲットにしたが、凶悪な気を放つ赤目の男の介入に、達夫は闇社会に真っ向から挑む道を選んだ。長編小説。
いおりんにしては、珍しくおっさん主人公じゃない。そして、頭の中に蚊トンボ白髭と名乗る謎の生命体が寄生してしまうという、ちょっと非日常的すぎる設定の異色作。
奇抜設定だったので、妙に記憶に残っているのだが、ミステリー者には受けが良くなかったみたいで、2002末のこのミス22位という結果に終わったようである。
それにしても、おっさん主人公だろうが若者主人公だろうが、ハッピーエンドでは終わってくれないんだね……。人間が滅びない限り、闇社会って無くならないんだろうか。
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