ディスカスを知ることで、世界の全てと繋がろうとした涼一。だが、恋人の由真は、彼の元を去って行った―。『パイロットフィッシュ』から7年。再び、著者が人生をかけた美しいモチーフを通して贈る、至高の長編恋愛小説。
恋愛小説というジャンル分けになっているのだが、恋愛部分は回顧シーンだけで、ほぼ熱帯魚飼育小説と化している。どこかの誰かの恋愛話なんて、少しも興味が無い私としては、むしろお魚飼育小説になってしまっている方が読みやすかった。
ディスカスなんて、ちっとも知らなかったのだが、主人公がのめり込む熱帯魚ブリーダーの世界は興味深かった。
それにしても、この人が書く小説に出てくる男も、ロクデナシが多いよなぁ。吉田修一作品の登場人物ほど糞ではないけれども。「恋愛小説は男ではなく女を殺せ」という鉄則は守っているものの、お魚に囲まれて、女みたいに別腹人生を謳歌しているのは、なんとも後味が悪い。
熱帯魚バカな男に出会い、お魚に負けてしまったヒロインの悲劇に全米が泣いた!!
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