架空の球を追う

2009年10月26日 読書
やっぱり罠にはまった。そんな気がする。ふとした光景から人生の可笑しさを巧妙にとらえる森絵都マジック。たとえばドバイのホテルで、たとえばスーパーマーケットで、たとえば草野球のグラウンドで、たとえばある街角で…人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11篇。

だから何? と言いたくなるようなどうでも良い話は比較的少ないものの、一冊で11篇も入っているので、それぞれの分量が少なすぎて物足りない。ちなみに、表題作は少年野球のコーチが架空の球を追わせようとするが、欽ちゃん走りになってしまうという、どうでも良い話だった。とりあえず表題作はイマイチ。

「銀座か、あるいは新宿か」は、不快感を覚えるのだが、とりあえず印象には残った。三十路後半女性が銀座に集まって飲むのだが、銀座か新宿かでグダグダと文句を言い合う話である。銀座を選んでおいて、料理や値段に文句をつけているけど「はあ? あんたって馬鹿ぁ?」と、某アスカさんに罵倒されて然るべき人々である。

銀座は土地が高いのだから、テナント料も高く、料理の値段が高いのは当たり前。安くて美味いものが喰いたければ、他の所へ行けと小一時間……。しかも、店の中で文句垂れているのが最低である。店にだけでなく、他の客にも失礼である。最近、こういうレベルの低いオバタリアンって多いけどね。

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