私は臓器を提供しない(洋泉社新書001)
2009年10月19日 読書私たちが提供しない根拠はこれだ!「愛の行為」「いのちのリレー」という美名の下になされる脳死・臓器移植の実態はあまりに知られていない。賛否の論議を究めることなく闇雲に「ことを進める」のはいったいなぜか?ドナーカードに署名することで救命救急医療は本当に手抜きされないか?十名の論客がそれぞれの「私」からの発言で、脳死・移植への根本的な疑問を呈し、読者が「自分の立場」を選択するための材料を提供する。
単に臓器移植の是非を問うたペライ内容ではない。臓器移植に関する暗部まで抉り出している。誰かが助かるためには、誰かが死んでくれなければならない。本当に失われる命ならば、何処かの誰かを助ける事も意義があるだろう。
だが、誰かを助けるために、本来は助かるかもしれない命が、不当に死へと導かれるとしたら……。これは怖い。本書を読めば、安易にドナーカードに署名する事は出来なくなるだろう。
万能細胞が実用化されれば、臓器移植問題なんて一気に解決して、過去の遺物となるのだろうけど。ダム造りまくったり、道路ほじくるお金があるのならば、万能細胞や核融合や宇宙エレベーターにでも投資したほうが、遥かに有用なのにね。まぁ、自分の利益にしか関心が無い、土建屋と結託した某金権腐敗政党では無理な話だったけどね。
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