17歳のヒット・パレード(B面)
2009年11月29日 読書「失望したときには、オレと一緒に死んでみる?」「退屈だし、別にいいよ。夏の間なら」―僕らは18歳にならないと思っていた。これ以上、成長するなんてウンザリだ。海辺で出会い、バイクで夏をかけぬけた17歳のココとレン。ふたりのあてもない旅の行く先は…。芥川賞作家による傑作青春小説。
もっと軽快な青春小説なのかと思ったら、死ぬために夏の海に来た青年が、電波さんと出会う痛い話だった。お互い、自分の名前は名乗らず、電波さんが勝手につけた名前で呼び合う。死ぬ予定の男がレン、頭のネジが吹っ飛んでいる女のほうがココ。
ココは何でもかんでも物々交換しようとするのだが、生きた赤ちゃんとショボい品物を交換したがったりして、かなりキ印が入っている。文章そのものは軽快なのだが、ミステリーでもないのに、人が死にすぎる。
浜辺で知り合ったおばさんが急死するのに、そのまま通報もせずに逃亡するというのは……。ボーリング場(※1)で知り合った若者に誘われてパーティーへ行けば、また被害者が出るし。さらに逃亡を続け、追いかけてきたおじさんを、いきなり撲殺? そして最後は……。
なんというか、ココが電波すぎて引くのだが、物々交換しようと持ち歩いていた薬入りの瓶が怪しいんだよなぁ。偶然にしては、関わった人が二人も死んでいるし、ひょっとして中身はドイツ製の薬ではなくて……。
※1
ボーリング場に関しては私の打ち間違いではないです。本文に、ボウリング場じゃなくてボーリング場と書いてあるんだもの(汗)。
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