治療島

2009年12月5日 読書
目撃者も、手がかりも、そして死体もない。著名な精神科医ヴィクトルの愛娘ヨゼフィーネ(ヨーズィ)が、目の前から姿を消した。死に物狂いで捜索するヴィクトル、しかし娘の行方はようとして知れなかった。4年後、小さな島の別荘に引きこもっていた彼のもとへ、アンナと名乗る謎の女性が訪ねてくる。自らを統合失調症だと言い、治療を求めて妄想を語り始めるアンナ。それは、娘によく似た少女が、親の前から姿を隠す物語だった。話の誘惑に抗し難く、吹き荒れる嵐の中で奇妙な“治療”を開始するヴィクトル、すると失踪の思いもよらぬ真実が…2006年ドイツで発売なるや、たちまち大ベストセラーとなった、スピード感あふれるネオ・サイコスリラー登場。

精神科医ヴィクトルの娘が病院で失踪するのだが、手掛かりが掴めない。生死すら定かではないまま、四年が過ぎてしまう。諦め切れぬまま、ヴィクトルは小さな島に引き篭もるのだが、謎の女性アンナがやって来て真実が明らかになる。

作家だと名乗るアンナの症状は、書いた物語の人物が現実世界に現れてしまうというもの。すでに現役ではないヴィクトルは治療を断ろうとするのだが、彼女が語る物語は、単なる偶然とは思えぬ程、失踪した娘の話とシンクロしすぎていた。

↑訳者解説でも、この辺りまではバラしているので許容範囲という事で。これ以上は、何を書いても重要なネタばれになりそうなので書けない。アンナの正体は? 何で物語の出来事が酷似しているのか? 犯人なのか? 娘はどうなったのか? 謎だらけで先が全く見えないまま、驚愕のラストへ!

セバスチャン・フィツェックの第一作。初手から恐るべき完成度。謎解き部分で今まで積み上げてきたものが一気に崩されてしまうのはアンフェアかもしれないけど、解答に驚きすぎて、不満は残らない。単なるバッドエンドで終わらないのも良い。

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