信長の夢は、天下一の棟梁父子に託された。天に聳える五重の天主を建てよ!巨大な安土城築城を命じられた岡部又右衛門と以俊は、無理難題を形にするため、前代未聞の大プロジェクトに挑む。長信の野望と大工の意地、情熱、創意工夫―すべてのみこんで完成した未會有の建造物の真相に迫る松本清張賞受賞作。
第132回直木賞候補作。
山本兼一も、直木賞と映画化で一気に人気者となり、なかなか借りられなくなってしまったなぁ。
安土城築城を命じられた棟梁父子の物語。まだ誰も造った事のない構造の巨大な城なので、今までの経験だけでは足りない。現在のように、体系化された建築学なんて存在しないので、卓越した才能頼みとなる。まるで、戦国時代版プロジェクトXのような内容(笑)。
ただ城を建てるだけではなく、材料の調達がそのまま調略にもなっていて、なかなか興味深い。戦国時代を書いた作品は多いけど、大名や武将ではなく、大工が主人公というのが新鮮だった。
こんなに苦労して建てたのに、アッサリと燃え尽きてしまうのが悲しい。現在まで残っていれば、きっと世界遺産クオリティなのに。
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