パズルの軌跡―穂瑞沙羅華の課外活動
2009年12月18日 SF特集ようやく就職した綿貫基一の元に、一通のメールが届いた。それは、“ネオ・ピグマリオン”という怪しげな会社から接触を求めるものだった。渋々担当者と会った綿貫だったが、彼らの依頼は、資産家子息の失踪事件の調査を、量子コンピュータを開発した天才美少女・森矢沙羅華にしてほしいというものだった。綿貫は、普通の女子高生に戻ろうとしている沙羅華を説得し、調査への協力を取り付けたのだが―。沙羅華と綿貫に、待ち受ける難事件とは!?『神様のパズル』の待望の続編、ついに刊行。
「神様のパラドックス」とも関連があるけれども、直接の続編は「パズルの軌跡」となっている。まさか、一作目の「神様のパズル」がシリーズ化して続くとは思わなかったのだが、SFとしてはどんどんスケールが小さくなって微妙。
これ、ほとんどラノベのノリなんだけど、SFなの? 粒子加速器以外、SFっぽくない。
一作目に出てきた田んぼは本編にあまり関係ないのだが、やたらと拘って気持ち悪い。他の人に田んぼを耕せと五月蝿いのだが、じゃあお前がやれと言われれば、自分は忙しいから無理とか言い出すし。何この自分勝手すぎるヘタレ主人公は……。
ネオ・ピグマリオンという怪しい会社から接触された主人公の綿貫。彼は、天才美少女に失踪事件の調査依頼をするための仲介役にさせられてしまう。久しぶりに天才と再会するのだが、依頼内容を聞いた沙羅華がハッキング行為で辿り着いたのは、怪しげなサイト。
その後、穂瑞沙羅華本人まで行方不明となる。彼女を追って、自殺サイトかもしれないページから申し込み、怪しげなセミナーに潜入する綿貫。しかし、沙羅華に合流した後も、グダグダしているだけで、いまいち活躍していない。それどころか、足を引っ張る事になって格好悪い。
潜入先でゴスロリ美少女が出てくるのだが、ちょっと妙な方向に狙いすぎなんじゃない? 「スペースプローブ」の時も、カラオケでやたらとメイドが出てきてウザかったのだが。そういうヲタ要素を入れるより先に、ちゃんとしたSFに仕上げて欲しかった。この内容なら、別にラノベで十分だと思う。
穂瑞沙羅華という名前は、ラノベ風の痛い名前をつけただけなのかと思ったら、元ネタは超有名なあの人なのか!! 名前のネタバレについては、あとがき参照。
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