だから、新書を読みなさい
2010年2月9日 読書「読まなくてはいけない本が多すぎて大変だ」「いったい何をどう読めばいいのだろう」本書はそんな「悩み」を抱える人たちに、情報源をあえて新書に絞る「逆張りインプット術」を提案し、新書を道具として活用する「新書ザッピング術」を指南する本です。
著者は、ベストセラーとなった『情報は1冊のノートにまとめなさい』を書き、新書オタクでもある奥野宣之氏。「情報の選択眼を養い、価値ある情報をインプットするには、新書を活用するのが一番」と説きます。その方法をひと言で説明すると、「新書を3冊同時にまとめて購入し、会社帰りに喫茶店で3時間ほどかけて拾い読みし、メモをつくる」、たったこれだけです。情報洪水の時代を生き抜くための道具として、本書をご活用ください。
出版不況になればなるほど、何故か出版点数が増えていくという、訳のわからない状態となっている。本の洪水の中で、いかにして情報を仕入れるか。筆者は、新書に特化して活用するという方法を説く。
何故、あえて新書に限定するのか。最大の利点は価格であろう。単行本と比べて、財布に優しい。軽いので、単行本と比べて持ち運びにも便利だし、通勤通学時でも片手で読める。満員電車の中で単行本を読めるようなツワモノは、そういないだろうが、新書ならなんとか読める。
別に単行本でも良いんじゃないかという意見もあるだろう。勿論、良書を探し出す能力がある人は、新書に限定せず、どんどん単行本も読めば良い。しかし、ここまで出版点数が増えてしまうと、良書と出会うだけでも一苦労である。新書ならば、ある程度、出版点数も絞れるので、情報過多で溺れる事も無い。
別に単行本を読むなと言っている訳ではないのだから、単行本まで守備範囲に入れる事が出来る人は、これを応用すれば、新書しか抽出出来ない人よりも一歩先へ行けるだろう。
著者は同じテーマで三冊併読する事を勧めているが、同時に異なる視点から物事を見ることで、偏りを無くすという点で有効だと思う。ネット書店の検索機能を活用するのだが、具体的な抽出方法については本書を読んで下さい。
チラ見している時、「新書は買え」と書いてあったので、また湯水の如く本に大金を使える勝ち組様の戯言かと思ったのだが、この人に関しては違った。よくある、買わないと身につかないという金持ち意見には全く賛同出来ないのだが、この著者の場合、ただ単に図書館には置いてない場合が多いからという理由だけだった。確かに、出版点数が多すぎて追いつかず、予算の少ない小規模な図書館だと、岩波新書、講談社新書、中公新書あたりしか置いていない。
お金持ち様はどんどん定価で買って、出版業界を潤してくれれば有難いが、貧乏人は図書館でも十分だと思う。足りない部分は、ブックオフの100円コーナー巡礼の旅に出れば、かなりの数を稼げるよ(笑)。
意外に良書だったが、残念なのは、本書が新書ではなく単行本だった事。惜しい! 何で新書を読めという本が新書じゃないのか。画竜点睛を欠くとは、この事であろう。
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