ホーキング博士に、自分の足で歩いてもらいたい!無名の天才発明家・機敷埜風天は、壮大な夢を実現すべく、脳波を直接受信して動作をサポートする介護支援機器「BF」を開発していた。しかし、引っ越してきた横嶋町は、二組のやくざが抗争を繰り返す、超危険地域だったのだ…!想像力がエスカレートしていく痛快スラプスティック長編。人気作家・梶尾真治、待望の最新作。
題名からは重苦しい悲劇の物語であるかのように感じられるが、実際にはコメディ・タッチな軽いSFだった。
身体が不自由なホーキング博士に使ってもらうと、脳波誘導ボディフレームという妙な介護機械を試作する天才とその友人。世間ズレした天才は、昼夜問わずボディフレーム開発のために騒音を出すものだから、近所から苦情が来て引っ越す事になる。不動産屋から格安物件を紹介してもらい引っ越した先は、黒澤監督の「用心棒」のように、敵対する暴力団が争う超危険地域だったのである。程なく抗争へ巻き込まれる事になった二人は、脳波誘導ボディフレームを駆使して組長の死を隠蔽しなければならなくなるのだが……。
馬鹿っぽいけど面白い。ちょっと昔の日本SF臭がふんだんに漂っていて、力を入れずに読めるのが良いですね。
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