プロバビリティ・スペース
2010年3月12日 SF特集ケンブリッジの自宅から物理学者カペロが誘拐された!現場を目撃した娘のアマンダは身の危険を感じ、心理学者のマーベットを頼って月へ、そして火星へと向かう。だが、マーベットはカウフマンとともに世界へと向かっていて不在。しかも軍強硬派のピアース大将がクーデターを起こし、火星は戦場と化していた。やがて実権を掌握したピアースは、敵を殱滅すべく、最強の武器である人工物をフォーラーの母星系に送りこむが…。
ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
先進文明の遺物を解明した科学者が何者かに誘拐されて行方不明となる。たまたま現場に居合わせてしまった娘のアマンダは、自らも身を隠し、父を助け出そうとする。しかし、いつの間にか反政府活動組織に囚われており、ややこしい事になってしまう。
組織から逃げ出すものの、今度は修道院に隠れ住む事に。さらに、火星でクーデターが発生し、多くの人命が失われる。エイリアンの攻撃で人類が滅ぼされそうな時に、何をやってんだか……。
クーデターで人工環境が破壊され、死を待つばかりとなったアマンダは、何故か都合良く現れたイケメンに助け出される。
一方、前作で活躍したカウフマンは、退役軍人となり、付き合い出した超感覚女と一緒に、ワールドへ潜入する。現地に残っている二名を救出する事と、行方不明になっている天才科学者カペロを探し出す事が目的なのだが……。クーデターで新たに権力の座についた将軍が、とても危険な男だったから、宇宙の破滅を阻止すべく、自暴自棄としか思えない、とんでもない賭けに出る事になる。
攻撃的なエイリアンとの星間戦争が続いているのに、人類は反戦活動家や、野心を持った軍部のクーデター等、足を引っ張りまくる要素が満載。全然結末が見えて来ないので、どうやって終わるのかと思ったら、かなり力技な展開で戦争終結となる。
敵の本拠地を叩いてご都合主義的にハッピーエンドとはならなかった。天才科学者と娘だけ見れば、ハッピーエンド的なのかもしれないけど、なんだか釈然としない幕切れだなぁ。
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