成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」。彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン= 危険、と呼び恐れられていた。これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。
最近、有川浩の人気が出すぎて、新刊の予約負けが続いていたのだが、これはかろうじて押さえる事に成功した。
キケンって、危険じゃなくて機研だったのか。西南電気工科大学機械制御研究部、略称「機研」で繰り広げられる理系大学生活。爆弾魔と大魔神、二人の先輩に捕獲されてしまった新入生が、翻弄されつつも機研の色に染まっていく波乱万丈な学園物語。
何事も全力投球で、限りなく危険なのだが、最後の一線はストッパーがかかるので越えていかないところが良い。理系大学だけに、女絡みが少なくて、いつものベタ甘展開はなかった。ひとつだけ、女子大絡みもあるのだが、アッサリと裏切られて終了フラグ。
現在進行形の物語ではなく、登場人物の一人が過去を振り返るという形になっている。登場人物だけでなく、作者も全力で遊んでいる。ラスト付近の書き込みが素晴らしい。
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