TRIP TRAP トリップ・トラップ
2010年4月2日 読書「ねえ、何しに来たの? 海に」 逃避だよ――。日常から逸脱した旅の果てにあるものとは? 研ぎ澄まされた描写が光る、著者新境地の最新作!
一見、小奇麗にしていても、なんだか小汚い感じの今風ギャルの人生がよく描けている。どうでも良い下品な成分が消えて、良い感じに読めるようになって来た。が、基本的に絶滅危惧種である大和撫子系統が好みなので、このような小汚い感じの、その辺にいくらでも転がっていそうな主人公だと、いまいち食指が動かない。ついでに触手も動かない。
連作短編風なのだが、出て来る人は同じようで、時系列が未来へと向かって行く。最初は乱れまくりな家出中学生なのだが、そのうち時間が進んで既婚者となり、最後は娘が生まれている。他作品みたいに時系列入れ替えたりはせず、ストレートなままで過去から未来へ。
薄っぺらいだけのファンタジーじみた恋愛物とは違って、実体験混じっているのか、妙な生々しさがある。
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