川田幸代。29歳。独身。腐女子(自称したことはない)。社史編纂室勤務。彼氏あり(たぶん)。仕事をきっちり定時内にこなし、趣味のサークル活動に邁進する日々を送っていた彼女は、ある日、気づいてしまった。この会社の過去には、なにか大きな秘密がある!……気づいてしまったんだからしょうがない。走り出してしまったオタク魂は止まらない。この秘密、暴かずにはおくものか。社史編纂室の不思議な面々、高校時代からのサークル仲間、そして彼氏との関係など、すべてが絡まり合って、怒濤の物語が進行する。涙と笑いの、著者渾身のエンターテインメント小説。幸代作の小説内小説も、楽しめます!

何か妙な題名がついていると思ったけど、主人公の川田幸代は、干された人々の1人として、社史編纂室という閑職へ追いやられているんだね(笑)。社史編纂室とは名ばかりで、社史は会社が設立されてから60年経っても、まだ作られてはいない。

社史編纂室の面々は川田幸代の他に、見たこともない幽霊部長、定年手前でやる気無い感じの課長、専務の愛人に手出しして干されたという噂のやり手(ヤリチン?)男、そしてヤリチン先輩に好意を抱くみっこちゃん。

やる気のある人間が閑職へ回されたら凹んで萎えるところだが、この妙齢の女性はめげない。むしろ、暇になった事を利用し、勤務時間中に会社の備品を使い、コミケで売る同人誌の準備をしたりする。けしからん! が、ある意味、羨ましい。

しかし、コピーしているところを課長に見つかり、腐女子である事が発覚! 課長は、社史編纂室でも同人誌を出そうとか、訳の分らない事を言い始める。社史と自分の同人誌だけで忙しいのに、意味不明な同人誌まで作らされる事になる腐女子、川田幸代。

同人誌の原稿を書くようにと課長に渡された古びた原稿用紙から、誰も語ろうとしない社史の黒歴史部分が明らかになって行く。この星間商事という会社は、結構、黒いね。さすが日本を代表する(かどうかは分らんが)黒企業だ。

ところで、腐同人誌、課長が書いた小説、裏工作用小説と、作中内小説が結構挿入されて来るのだが、腐女子だけにBL入っているので、読んでいて「ぶ、ぐふっ」。

な ん で、腐女子は男同士がそんなに好きなのか!! この話書いている本人も腐女子だしな。直木賞作家で腐女子なんて、三浦しをんだけじゃないの?

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索