主人公の斉木鮮は、仙台のエリート高校の3年生で、ただ1人進学しようとせず、教師の質問に答えようともしない反抗少年である。それが、幼なじみの小野田光枝が私生児を孕んで女子高を退学させられ、ひそかに出産したことを知ると、産院を探しあてて訪れ、自分が父親となって生きようとする。「海燕」新人文学賞受賞の気鋭の若手作家、待望の第1創作集!
第3回海燕新人文学賞作「木を接ぐ」収録。
難産のため逆恨みされ、母親から要らない子扱いされた少年は、親を頼らず、高校すら自力で通う。幼なじみの小野田光枝が、私生児を孕み女子高を退学となったと聞き、彼女に会いに行こうと思い立つ。
母のせいで人間関係を上手く構築出来ず、異性相手の関係も持ちようが無いのだが、光枝が産んだ子は、父親が少年であると噂されていた。完全に自分の子ではないにも関わらず、一緒に暮らして行こうと決心する少年だったが……。
これ、何編か入っているけど、独立した短編ではなくて、主人公が同じ少年なんだね。時系列は多少前後しているけど。幼なじみとはアッサリと終了フラグが立っていて、別の話では、他の女性との間に子供が出来て結婚するのだが、自分の子なのか疑ってしまう。
母親がロクデナシだったために、大学へ通える程度の家庭に生まれながら、職を転々とする苦難の人生なのが楽しくない。
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